時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

安保法案反対論者の偽善-暴力主義の味方

 安保法案に対する反対意見は、”戦争反対”に集約されています。しかしながら、彼らは、中国から侵略戦争を仕掛けられた場合、一体、どうするというのでしょうか。

 中国の行動の基本的な特徴は、国家間の合意のみならず、国際法をも無視し、あくまでも自国の国益を追求するといものです。安保法案反対論者は、中国の脅威はない、と主張しておりますが、既にチベット東トルキスタンは侵略状態にあり、尖閣諸島周辺の領海でも、しばしば中国公船による侵犯を受けております。南シナ海での争いも、フィリピンが提起した仲裁による解決に背を向け、力による現状の変更を試みているのです。誰から見ても、危険な無法国家なのですが、安保法案反対論者は、この事実から目を背け、あたかも、日本国が軍国主義化するかのような錯覚を与えようとしています。合意も法も尊重しない国は、力のみを信じる暴力主義国家となるのですが、こうした国の侵略を抑える手段は、相手国が合意も法も守らない以上、力以外にはありません。暴力に対抗するには、正義の力を要する時もあるのです。治安の維持には警察力を要するように…。

 暴力と闘う力を否定する人々は、無自覚にせよ、暴力主義側の味方であり、偽善者としか言いようがありません。安保法案は、日米同盟をはじめとした国際協力の下で、侵略や平和の破壊行為…に対する自衛隊の活動能力を高めることを目的としているのですから、当法案に対する反対論者は、暴力主義国家の手先に堕していると思うのです。

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