時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

再利用可能な仮設住宅の導入を

 東日本大震災に際しては、5万戸ほどの仮設住宅が建設されました。今般の熊本地震に際しても、公営住宅への入居の他に、必要戸数に合わせて仮設住宅が設置される予定なそうです。

 住宅を喪失された方々については、仮に、賃貸住宅や集合住宅などに空きがある場合には、仮設住宅の建設よりも、家賃を補助する被災者住居支援制度を設けて対応した方が、迅速な入居が実現します。財政的にも負担が軽くなり、他の復興費に予算を振り向けることができるようになります。しかしながら、その一方で、絶対数が不足する場合には、やはり、仮設住宅を建設するしかありません。日本国は、地震国でもありますので、今後とも、深刻な住宅問題が発生することが予測されます。そこで、今般の熊本地震からの利用を念頭に、再利用可能な仮説住宅を導入してはどうかと思うのです。仮設住宅とはプレハブ造りですので、必要がなくなった時点で解体することができるはずです。解体したプレハブの部材を国レベルで管理・保存し(保管場所は分散でも可…)、陸路、海路、空路の何れであれ、地震が発生した地域に直送すれば、被災地での組み立て作業が終了次第、直ぐに被災者の方々が入居することができます(東日本大震災では、5万戸の建設に凡そ5か月を要している…)。建設業者に発注し、その納入を待ってから組み立てるよりも、遥かに時間を短縮することができるのです。迅速な仮設住宅への入居が可能となれば、被災者の方々の疲労も軽減され、今後の展望も開けてきます。

 今後も、日本全国で巨大地震の発生が予測されておりますので、地震対策は、長期的、かつ、システマティックに行う体制を整える必要がありそうです。仮設住宅についても、全国レベルで再利用システムが確立すれば、被災地の復興もそれだけ早まるのではないかと思うのです。

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