時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHKの”平壌放送局化”-北朝鮮は制裁対象国

 昨日、北朝鮮において36年ぶりに朝鮮労働党の党大会が開催された件について、日本国でも、マスコミが大きく取り上げております。特にNHKのニュースなどでは、アナウンサーが、まるで”平壌放送”の如く、嬉々として報じているのです。

 NHKの異常なまでの興奮状態は、党大会開催の2、3日前から始まっております。開催に向けての準備の様子から、平壌の街角での”一般市民”のインタヴューや”豊かな市民生活”まで、念には念を入れた報道ぶりです。しかも、北朝鮮が、核・ミサイル開発を理由として経済制裁の対象国になっていることなど、すっかり忘れてしまったかのようなのです。おそらく、NHKの報道担当者の頭の中では、拉致事件さえ消えているのかもしれません。北朝鮮が外国メディアに撮影やインタヴューを許しているのは”厳選された場所と市民”であり、日本国民は、NHKを介して北朝鮮が政治的意図から作成した”宣伝映像”を見せられているのです。

 日本国のマスコミは、日本国にとってプラスとなる情報については”報道しない自由”を発揮する反面、北朝鮮関連の情報については、積極的に”報道する自由”を行使しているかのようです。独裁体制を堅持し、トップが国際刑事裁判所の訴追対象となっている北朝鮮に対して好意的なNHKの報道姿勢には、一体、どのような背景があるのでしょうか。NHK北朝鮮も、国民に対する隠蔽体質という点においても、同類なのではないかと思うのです。

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