時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

舛添知事問題-情報なき”闇選挙”

 舛添知事の呆れた行状が明らかとなり、氏に投票した有権者も、怒りが収まらないことでしょう。と同時に、何故、問題のある人物が政治家になれるのか、疑問に感じたかもしれません。

 今日、民主的な選挙制度は導入されていながら、その長所を活かし切っているとはお世辞にも言えない状況にあります。特に舛添知事に関して誰もが認識するに至ったことは、選挙に際して、候補者の人物チェックがほとんどなされていないことです。政党公認や推薦であっても、十分に”身体検査”されているわけではなく、当選してからその人となりが分かり、有権者は唖然とさせられます。実のところ、有権者は、政治権力を委託する人物について殆ど情報がないままに投票所で一票を投じているのです。その背景には、行き過ぎた個人情報保護があることは疑い得ません。外国との関係をはじめ、候補者に対して個人的な情報を聞いてはならないような風潮が、意図的にか、作られてしまっているのです。本来は、有権者には知る権利があるのですから、公人である以上、個人的な情報を含めてあらゆる情報が、オープンにされるべきにも拘わらず…(もはや、保護されるべき個人情報とは言えなくなる…)。

 判断材料となるべき情報もなく、何時の間にか、何処の誰とも知らない人々が政治家となってしまう現状は、民主的選挙を装った一種の”闇選挙”です。この事件を機に、特に外国との関係に関する情報については、政治家の情報開示を義務付ける、あるいは、有権者から質問がある場合には、返答を義務付けるべきと思うのです。

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