時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東京都知事選再選費用問題-繰り上げ当選や副知事昇格の検討を

 通常であれば、度を越した公金濫用は、即、辞任となるようなケースなのですが、舛添知事は、一向に職を辞す気配がありません。この異常とも言える地位への執着は、菅直人元首相を彷彿とさせます。

 マスコミを味方に付けているのか、46億円もの再選挙費用を要するとして、経済的デメリットから続投を擁護するような記事も見られます。舛添知事を続投させた場合、おそらく、東京都のみならず、日本国の損失は46億円を上回るでしょうから、”高い授業料”として受け止めるしかないかもしれません。

 ところで、将来において同様の知事辞職問題が起きた場合、常に、都民は再選費用の問題に悩まされることになります。この問題を解決するためには、繰り上げ当選や副知事の知事昇格を検討してはどうかと思うのです。現行の制度では、リコールが成立して知事が解職となった場合、再選挙となるそうです(もっとも、地方自治法には、知事辞職後に関する明文の規定は見当たらない…)。前任者の猪瀬知事が辞職した時にも再選挙が実施されましたので、通常の辞職でも手続きとしては再選挙なのでしょう。しかしながら、前回の選挙で二番目に得票数の多かった候補者を、残りの任期に限って繰り上げ当選とすれば、追加の費用は生じません。また、副知事の昇格については、現在、東京都には4人の副知事がおりますが、都議会が4人の中から一人を選定する、あるいは、4人の副知事が互選で知事を選任するという方法もあります。もしくは、今後は、アメリカの大統領制度のように、知事選での立候補に際して、各候補が副知事を指名する制度へ改革する道もあるかもしれません。

 選挙費用もまた本来必要のない”余計な予算”でありますので、財政上の理由をもって不適任者に居座られるようでは、都民のための善き都政が実現するはずもありません。これを機に、知事辞職に対応できる仕組みを考案してはどうかと思うのです。

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