時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東京都は”舛添独裁体制”か?

 相次ぐ疑惑の噴出に、批判の声が止まない舛添東京都知事。釈明会見では、”第三者”を連呼して逃げ切ろうとし、火に油を注ぐ結果ともなりました。

 その”第三者”につきましては、本日、氏名は非公開とした上で、知事自身が元検事の二人の弁護士を選任したと報じられております。当事者である知事本人が選任したのですから”第三者”のはずもなく、この誤魔化しには都民も国民も納得しないことでしょう。そして、さらにショッキングなことは、舛添知事が国際政治学者であることです。何故ならば、政治学を専門としているのであれば、権力分立におけるチェック・アンド・バランスを理解していないはずはないからです。通常、行政部門に何らかの問題が発生し、調査を要する場合には、議会が第三者委員会を設置するか、調査官を任命するものです(オンブズマン制度など…)。また、公金横領の疑いがあれば、司法、即ち、検察が動くのが当然です。元検事ではなく、現役の検事が捜査しなければならない事件なのです。ところが、舛添知事は、自らが元検事を”第三者”に選任するという欺瞞的な方法を考案し、”法的には問題なし”の結論を導こうとしています。二人の元検事達が”法的には問題なし”の結論を下すのだから、この事件は”不起訴でよし”としたいのでしょう。初めに結論ありきの調査は全く以って無意味です。

 身内に”第三者”として調査させる手法は独裁者の専売特許であり、このままでは、東京都は、”舛添独裁体制”となりかねません。舛添知事は、専門知識を独裁化の方向に悪用しているように見えるのです。

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