時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

カンザス州にもいた「荒くれ男」

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。カンザス州は、米国では、極めてセンシティブな問題として扱われております黒人問題と関連して、フランス革命における「荒くれ男」や「荒くれ女」からなるイルミナティーの下部組織、「カルマニョールCarmagnole」と関係のありそうな州なのです。その理由は、ジョン・ブラウンJohnBrown180059 - 1859122日)という社会改革運動家が、カンザス州で「荒くれ男」のような暴力的活動を行ったからです。
 
日本ではあまり知られておりませんが、Wikipediaによりますと、ブラウンは「19世紀のアメリカ人で最も議論の的になる人物」であり、暴力主義・テロリズムの祖とも言われた人物です。ブラウンは、奴隷制を擁護する党派に対して平和的な抵抗を主唱していた北部の人々とは異なり、南部の攻撃性に対して暴力的な行動を要求しました。すなわち、既成組織の奴隷制度廃止運動によって奨励されていた平和主義には満足せず、「こいつらは口先だけだ。我々に必要なことは行動だ-行動だ!」と叫んだと言われております。
 
18565月、カンザス州の「ポタワトミーの虐殺」として知られる事件では、ブラウンは、南部の奴隷制度擁護派5人を殺害しております。1859年のブラウンによるハーパーズ・フェリー襲撃がその年遅くのアメリカ南北の緊張関係を強めることとなり、南部のアメリカ連合国からの離脱と1861年の南北戦争に繋がったとされています。
 
「カルマニョールCarmagnole」が、フランシスコ修道会の思想を受けたイルミナティーの下部組織であることは、本ブログにて先に指摘いたしました。昨日、本ブログで述べましたように、カンザス州は、フランシスコ会修道士のマルコス・デ・ニサFray Marcos de Nizaの黄金伝説によって踏査された土地柄でもあり、歴史的に旧教国の影響の強い州でもあるようです。このことは、カンザス州のイルミナティーのロッジは、特に、イエズス会のフランシスコ派の影響の強いロッジである可能性を示唆しております。このように考えますと、カンザス州にも「荒くれ男」が登場していたのかもしれません。
 
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(続く)