時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

参議院選挙でNHKの受信料問題はなぜ争点となっているのか

本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今般の参議院選挙には、NHKの受信料をその争点に挙げる候補者が多いという特徴があるようです。そこで、NHKの受信料が、なぜ問題となっているのか、本日は、受信料の齎す不公平感について考えてみることにしましょう。
 
NHKは、公共放送の事業体として、国家における緊急事態、災害にける警報や被災状況地域など、国民の一人一人が基本的に知っておくべき情報を知らせる伝達手段であるがゆえに、政府機関であると言うことができます。逆に言いますと、仮に、NHKのような公共放送事業体が存在しなければ、外国からの武力攻撃などによって国民の生命と安全が脅かされるような非常事態などが発生した場合、国民にそれを伝える放送手段が存在していないということになり、政府としての役割に重大な欠陥があるということになるのです。従いまして、NHKは、本来は、税金によって運営されるべき事業体です。
 
ところが、奇妙なことに、NHKは世帯ごとに受信料を徴収するという方法で運営されております。さらに、その受信料は、年間およそ2万4千円ほどであり、決して低い料金とは言えない料金なのです。低所得者であるがゆえに受信できないという世帯も発生しているかもしれず、国民の生命と安全が脅かされるような事態が発生しても、低所得者のみがその情報を知り得ないという不公平が生じる現状にあるのです。
 
では、こうした不公平を是正するには、どのようにしたらよいのか、ということになりますが、もっとも抜本的改革であって、合理的な方法は、NHKを完全解体して、国民の生命と安全が脅かされるような非常事態のみを「緊急放送」として放送する権利と義務を政府が担うというものです(法律の制定も必要)。すなわち、民間のTV放送局やラジオ局、インターネット業者、スマホの配信業者など、あらゆるメディアに対して、「緊急放送」を即座に配信させる権利と義務を政府が有するようになりましたならば、NHKという巨大組織は必要が無いということになるのです。
 
このようにいたしますと、TVを見ている人はTVを通し、ラジオを聴いている人はラジオを通し、パソコンのインターネットを閲覧している人は、インターネットを通し、スマホを使っている人はスマホを通して国民の生命と安全にかかわる重大情報を得ることができ、政府といたしましても、NHKを通さずしてその基本的役割を果たすことができるようになるのです。
 

すなわち、逆に、すべてのメディアを、非常時、緊急時に、一時的に、“公共放送局化”させるという方法も、公平性を担保するための一案ではないか、と考えられるのです。


 

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(続く)