時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

なぜイルミナティーはスウェーデンの環境活動家を起用したのか

 「気候行動サミット」におきまして、国連によっても環境保護活動の一躍中心的人物として扱われておりますスウェーデンのグレタ・トゥンベリさん16歳が、イルミナティーの“お気に入り”である可能性は、スウェーデンの年金制度改革からも見えてまいります(国連もイルミナティーの強い影響下にある可能性が高い)。

 

 Quick ESG研究所のインターネットサイトによりますと、スウェーデン公的年金基金(Allmänna Pensionfonden)は「賦課方式に基づく年金制度と、加入者自ら運用先を選択する積立方式の年金制度に分かれ、6つのファンド(AP1, 2, 3, 4, 6, 7)が運用を担っている」そうです。「2018年11月、スウェーデン公的年金資金の運用を担うAP基金に対し、持続可能な投資の分野で「模範的存在」になることを求める公的年金制度の大幅な改正法案がスウェーデン議会で可決され」、「改正法は2019年1月1日に施行され、ESGに重点を置く社債の新たなベンチマークを来年初めに発表する計画を明らかにし、既に数ヵ月前から自らのアクティブ運用ポートフォリオでそのモデルを採用し」、2018年6月にはAP4が気候変動への対応を理由に石炭関連企業20社への投資を引き揚げたことを発表しております。

 

 すなわち、スウェーデンは、公的年金制度の大幅な改正案を国会にて成立させ、ポートフォリオにおける「ESG投資」の枠を大幅に広げた「ESG投資」の最先端をゆく年金制度の国であるのです。こうした点を踏まえますと、トゥンベリさんが、国会前で抗議活動を行ったことの背景には、「ESG投資」問題があった、ということになるのでしょう。

 

 「ESG」投資のリスクにつきましては、9月20日付本ブログにて述べましたように、第一に、投資先の選定におきまして最も重要な財務情報が軽視される可能性があること、第二に、「ESG投資」関連企業は、競争力の低さから、将来、淘汰されてしまう可能性があること、第三に、社会的責任とガバナンス(企業としての倫理性)の高い企業ほど、倒産する可能性が高いという問題があることを述べました。今般の改造内閣が、年金制度改革を主眼としている点は、この問題とも関連しているかもしれません。

 

 このように考えますと、グレタ・トゥンベリさんとは、全世界の政府系年金基金を「ESG投資」に向けさせるために、誰もが関心のある環境問題を悪用し、最後には、“消えた年金”とさせてしまうためにイルミナティーから派遣された“セイレーン”であるのかもしれないのです。各国政府に対する環境対策への消極的対応を「許さない」というトゥインベリさんの国連での感情的な演説、すなわち、演技指導されたような演説は、怒りの表現と言うよりは、恫喝や脅迫とも解釈されえるものです。トゥンベリさんのような年若い“紅衛兵”を使ったイルミナティーの謀略に騙されないよう、各国政府ともに冷静な対応が必要であると言えるでしょう。

 

(続く)