時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

‘国際協調’の危うさ

 条約に欠点があるのと同様に、国際協調にも欠点があるようです。

 

トランプ(前)大統領は、在任中に「アメリカン・ファースト」を唱え、しばしば、米国民主党からの非難、並びに、国際的にも批判を受けるものとなりました。米国一国のことしか考えずに、他の国々との協調を忘れていると。

 

 しかしながら、国際社会が様々な国家から構成されている集合体であり、現実において、屡、特定の国家間には敵対関係が存在していること、そして、軍事力を用いて世界支配を狙う自己中心的なアグレッシブな国家が存在していることにおいて、トランプ(前)大統領の「アメリカン・ファースト」は、当然の主張であったと考えることができます。

 

 仮に、トランプ(前)大統領が「アメリカン・ファースト」を唱えず、国際協調主義にもとづいた外交政策を展開していたのならば、中国との関係を良好に保ちために、中国共産党政権との繋がりのあるファーウェイ社の製品を締め出すことができず、米国の安全保障上重要な情報は、中国政府に筒抜けとなっていたことでしょう。この結果として、相対的に軍事力を増強させた中国政府によって、周辺諸国の軍はもちろんのこと、米軍さえも、中国軍に敗北してしまう可能性があるのです。そして、この問題は、コロナ禍とも関連してまいります。

 

 今般のコロナ禍によって、中国政府は、米国を中心とした世界各国から京単位の賠償を求められる可能性があります。その賠償金の支払いから逃れるために、対米戦争を起こし、勝利して米国に賠償金を請求することで、相殺させようと計画する可能性もあるのです。

 

 このように考えますと、バイデン(現)政権の‘国際協調主義’は、いつ何時、米国が親中政策へ転換するとも限らない危うさを持っていると言うことができます。米国の安全保障上、重要な危機を齎しているにもかかわらず、バイデン政権は、政策転換を「国際協調」であるとごまかす可能性があるのです(バイデン政権は、中国強硬策を唱えながら、陰では、逆に隠れ親中政策を採る可能性もあり)。

 

 政府の役割が、国民の生命や財産、自由などの基本的人権を守ることにある以上、国際協調主義よりも「アメリカン・ファースト」を優先させたトランプ(前)大統領の判断は正しかったと言えるのではないでしょうか。