時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

東京オリンピック開催期に丁度ワクチンの効果が切れる問題

 今般のワクチン接種につきましては、東京オリンピック対策であるとする意見が多く聞かれます。日本国民全員にワクチンを接種させれば、感染者はゼロとなり、海外からの選手団や観戦者などは安心して来日することができ、日本国民も仮に感染者が来日しても、感染しないことになるからです。

 

 そこで、2月18日から医療従事者を対象にワクチン接種(10日ほど開けての2度の接種)が始まったわけですが、このワクチンの効果はおよそ半年ほどであり、半年後にはワクチンをもう一度、一から接種し直す必要があるそうです。そこで、2月18日からおよそ半年後となりますと、丁度、東京オリンピックの開催時期にあたります。すなわち、東京オリンピックの時期に医療従事者のワクチンは効果を失っており、東京オリンピックの会場などで集団感染が発生した場合に、医療体制におきまして不備が生じると推測することができるのです。では、7月下旬から8月にかけて、もう一度、ワクチン接種すればよいのでしょうか。

 

 そもそもm-RNA形式のワクチンには、接種を受けた人が標的とした病原体による病気を発症した場合に、接種を受けていない人よりも症状が増悪するワクチン関連疾患増悪(vaccine-associated enhanced disease, VAED)、ワクチンによって誘導された抗体によって感染が増強する抗体依存性増強(antibody-dependent enhancement, ADE)が指摘されており、変異ウイルスへの脆弱性なども問題視されております。このようなリスクを踏まえますと、半年毎の繰り返しのワクチン接種によるリスクは、かなり高いのではないか、と考えることができます。

 

 リスクの高さから、7月下旬から8月下旬という丁度東京オリンピックの期間に、2度目のワクチン接種を希望する人は、少ないかもしれません(ここ数か月の間で、ワクチンの有害性が明らかとなった場合は、特に)。従いまして、東京オリンピックにおける新型コロナウイルス対策は、ワクチン計画を排除して練り直さなければならないということになるのです。

 

 このように考えますと、今後の世界各国における感染状況とも関連してまいりますが、東京オリンピックは、やはり中止か無観客とすべきではないでしょうか。