時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

命をかけても守るものとは?

 昨日は、AKBの”僕たちは戦わない”について批判的な記事を書いたのですが、日本国の若者には、命をかけて守るものはないのでしょうか。

 毎年、6月がめぐってきますと、多くの若者が犠牲となった天安門事件が思い出されます。あの時、中国の若者たちは、中国の民主化と自由化のために、命をかけて戦いました。家族が止めるのも振り切って、若者たちは、中国の将来のために家を後にしたと伝わります。今日にあっても、一国二制度が風前の灯となっている香港では、若者たちが命をかけて北京政府に抵抗し、そして、台湾にあっても、ひまわり学生運動に参加した若者たちが、中国に飲み込まれるのを必死で阻止しております。皆、自らの信念を持って、命をかけて戦っているのです。その一方で、既に民主主義と自由を享受している日本国では、”僕たちは戦わない”の風潮があたかも正義の如くに吹聴されております。命をかけて守るものなどこの世に存在せず、戦わないことこそ、正しい生き方である、と…。

 中国の軍事的脅威が迫り、一国二制度など幻想に過ぎないことは、誰もが分かっていることです。日本国の若者が、”僕たちは戦わない”の歌詞に危うさを感じないとしますと、日本国の将来こそ、風前の灯なのではないかと思うのです。

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