時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ロスチャイルド家とイエズス会の結合

今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。1776年5月1日に、秘密結社のイルミナティIlluminatyを設立したヨハン・アダム・ワイズハウプトJohann AdamWeishauptをめぐって、ウィリアム・ガイ・カーWilliam Guy Carr著『Pawns in The Game』(頁XV)において、以下のような興味深い記述を見付けました。
 
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「現在進行中の悪魔の謀略the continuing Luciferian Conspiracy」の存在を証明する証拠を持っているバイエルン政府は、1784年に、「神に関する法律An Act of God」を制定した。イエズス会によって教育を受けた①教会法の教授、アダム・ワイズハウプトは、キリスト教から離脱し、インゴールドスタット大学で教鞭を取りつつ、悪魔思想を信奉していた。そこで、1770年に金融界の大物たちは(昨今、「ロスチャイルド家」として組織化された)、究極的世界支配を‘悪魔の教会堂the Synagogue of Satan’に与えるために計画された彼らの古い『議定書protocols』を近代的装いに改訂するために、彼を雇った。こうして、彼らは、悪魔的独裁を用いることで、最終的な社会的大変動の後に、残った人類に対しても、悪魔思想を強いることができるわけである。ワイズハウプトは、1776年5月1日にその仕事を完成させた。

In 1784 “An Act of God”placed the Bavarian government in possession of evidence which proved the existence of the continuing Luciferian Conspiracy.  Adam Weishaupt, a Jesuit-trainedprofessor of canon law, defected from Christianity, and embraced the Luciferian ideology while teaching in Ingoldstadt University.  In 1770 the money lenders (who had recently organized the House of Rothschild),retained him to revise and modernize the age-old ‘protocols’designed to give the Synagogue of Satan ultimate world domination so they can impose the Luciferianideology upon what remains of the Human Race, after the final social cataclysm, by use of satanic despotism.  Weishaupt completed his task May 1st, 1776.
 
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この文章は、1784年にバイエルン政府が、反イルミナティー政策の一環として、「神に関する法律An Act of God」を制定した理由について扱ったものです。下線①で示しましたように、イルミナティーの創設者のワイズハウプトは、イエズス会によって教育を受けた人物であり、イエズス会代理人であった可能性の高い人物であると言うことができます。そして、下線②に示しましたように、イルミナティーが、ロスチャイルド家の依頼によって創設されたとなりますと、ロスチャイルド家は、ワイズハウプト個人に依頼したと言うよりは、むしろ、イエズス会という組織にイルミナティーの創設を依頼したと考えることができるのです。

その理由は、イエズス会が16世紀、大航海時代以降に世界各地において、下層民、移民、少数民族を中心につくった悪の組織による国家や王室などの乗っ取りの成功例は、ロスチャイルド家にとって大いに参考となり、イエズス会の組織を取り込み、活用することで、全世界を支配しようと計画したからであると推測することができるでしょう。
 
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(続く)