時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHK『西郷どん』-西郷隆盛と革命

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。昨日のNHKの大河ドラマ西郷どん』の内容が、看過され得ないほどにペテン的で危険な内容でしたので、今日は、この問題について扱います。
 
 
同ドラマにおける問題のシーンは、‘西郷’が流された島の住民の一人が、「フランスでは、人々によって政府がつくられ、その指導者はどのような出自の人物であろうともなることができる革命があった」という主旨の内容を‘西郷’に話し、西郷は、それが誰であるのかと問うと「ナポレオン」と答え、さらに、小舟に乗って西郷が島を去る際には、その島民が、「革命」の二文字を大きく記した旗を岬の山の上から振って、西郷を見送るという一連のシーンです。
 
そこで、NHKの大河ドラマの製作チームが殊更に高評価を与えているナポレオンという人物がどのような人物であるのか、と言いますと、2017年4月30日付本ブログなどにて扱いましたように、以下の点を指摘することができます。
 
フランス革命の混乱に乗じて軍事クーデターを起こして政権を掌握している。すなわち、民主主義的に選ばれた指導者ではなく(国民投票による事後承認…)、一旦、皇帝の座に就くと、世襲化を目指した。
②民主的制度の発展に寄与したというよりも、ナポレオン朝を開いたに過ぎない。さらに、ブルボン朝よりも中央集権化を押し進めている。
③歴代フランス王のなかで、初めてフランス人に対して、銃を向けた君主、すなわち、自国民を虐殺した君主である(ルイ16世でさえも、フランス国民に銃を向けることは無かった)。
④ナポレオンは、フランス人ではなくコルシカ人であった(あるいは、「黒いユダヤ人」か)。
⑤ナポレオンの出身地であるコルシカ島には、その旗章がネイティブ・アフリカンの頭部であるという特徴がある。2017年2月11日付本ブログにて指摘したように、ヴィクトリア女王の母であるマリー・ルイーゼ・ヴィクトリア・フォン・ザクセンコーブルク=ザールフェルト(Marie Luise Viktoria von Sachsen-Coburg-Saalfeld)の出身地であるコーブクの市章は、1430年以降、聖マウリティウスという黒い肌を持つネイティブ・アフリカンの頭部である。黒人崇拝は、イエズス会の黒マリア信仰、すなわち、非文明崇拝を想起させる。
 
コルシカ島は、長くジェノバに属していたが、ジェノバは、ヴェネチアとともにモンゴル帝国との間に活発な交易を行っていたヨーロッパの2つの都市国家のうちの一つでもある。イルミナティーを構成する中心勢力のロスチャイルド家は、その元の家名が、「カンKhan」であることは、イルミナティー、ジェノバ、モンゴルを繋ぐ糸が想定される。
 
⑦ナポレオンは、フリーメーソンイルミナティー)であったとされている。
 
⑧ナポレオンは、フランス銀行の大株主となり、金融をも支配しようとした。

ナポレオンをめぐるこのような点と、「河」がロスチャイルド家を意味していることに示唆される「大河ドラマ」とイルミナティーとの密接な関係を考えあわせますと、『西郷どん』を製作している「大河ドラマ」の製作チームが、「革命」という言葉を民主革命として理解していないことは確かです。すなわち、「大河ドラマ」の製作チームは、①中国思想における王朝交替という意味の「易姓革命」、②イルミナティーの最下層者が君主になるべきとする「蛇鷹輪の思想」、そして、③人類の非文明化革命、すなわちインテリ、知識・教養人の抹殺を意味する「文化大革命」とが結びついた「イルミナティー革命」として「革命」という二文字を理解しているのでしょう。
 

現在の北朝鮮中国共産党政権の独裁・非文明体制は、まさに、「イルミナティー革命」がどのような結果をもたらすかを示しております。『西郷どん』は、日本において現在進行中の「イルミナティー革命」、すなわち「易姓革命+蛇鷹輪の思想+日本版文化大革命」に、良いイメージを与えるためにイルミナティーによってつくられた悪質なイメージ操作ドラマであると言えるのではないでしょうか。

 

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(続く)