時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民主党はマニフェストの修正を視野に

 2兆円に上る予算を費やして定額給付金政策が実施されたのは、今年に入ってのことです。この政策、国民の間では、”ばらまき”として極めて評判が悪く、反対者の比率は7割に上ると報じられたものです。ところが、投票日をまじかに控えた衆議院選挙では、民主党の”ばらまき”予算の方がはるかに巨額でありながら、民主党圧勝の予測が伝えられています。

 この現象は、何を意味しているのでしょうか。一つの解釈は、国民が、民主党の”ばらまき”は良いばらまきと判断したということです。広く薄くばらまくよりも、子供手当、公立高校の無償化、高速道路の無料化の方が納得できると、国民が判断したことになります。もう一つの解釈は、政策の内容はどうあれ、国民は、政権交代を臨んだというものです。これは、積極的に民主党の政策を支持するというよりも、自民と公明の連立政権を拒否したことを意味しています。マスコミも、大々的に政権交代を喧伝していますので、国民の中には、ムードに流されて投票する人もいるかもしれません。

 ”マニフェストで選択を”と言われながらも、民主党のばらまき政策への積極的な評価の声は聞こえてきません。また、先述したように、定額給付金に際しての国民の反応からも分かるように、財政拡大政策に対する不安は相当広がっています。このことから、もし、予想通りの結果となれば、後者の理由の方が強いと考えられるのです。同時にそれは、国民多数は政権交代で満足し、民主党の政策の実現は二の次と考えているとも捉えることができます。実際に政権与党となった後には、世論と経済の動向に敏感に反応し、政策修正も視野に入れるべきと思うのです(そもそも、無理な政策を掲げることが間違っている・・・)。雇用状況の悪化は、財政運営がこれまで以上に苦しくなることを示唆しているのですから。

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