時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

参政権は普遍的な基本権ではない

 永住外国人への地方参政権付与を支持する意見として、しばしば、参政権は普遍的な基本権の一つであるとする主張があります。しかしながら、政治に参加する権利は、生命、身体、財産に関する権利とは異質なものと考えられるのです。

基本権の場合には、どの集団に属していようとも、個人の権利として保障されるものです。警察は外国人の基本権をも守りますし、刑法は外国人にも適用されます。一方、参政権には、こうした普遍性がありません。それは、参政権とは、ある集団の意思決定に参加する権利であり、特定のメンバーシップを前提としているからです。家族という集団に譬えてみますと、家族以外の人は、客人としてもてなしを受けることはあっても、その家族の行動に口を挟むことはできませんし、ましてや、勝手に家族の一員となることはできないものです。国家ともなりますと、究極の場合には戦争という事態も想定されるのですから、何らの義務もない外国人が、義務を負う国民と同様に政策決定に関わることは不合理でもあります。国家の存亡は自国民にとりましては死活問題ですが、外国人にとりましては、他人事でしかありません。しかも、外国人には、本国の主権が及んでおり、中立的な立場にあるわけでもないのです。

このように考えますと、参政権とは、無条件に普遍的な権利として認められる性質のものではないことは確かなことです。民主党が、この参政権の性質を理解しているのかどうか、疑問に思うのです。

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