時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

意に反した日韓併合―韓国国内は分裂していたはず

 菅談話について、韓国では、併合が韓国の”意に反して”行われたことを日本国側が認めたことを高く評価しているようです。日韓併合条約の違法論や無効論に有利と考えているようですが、そもそも、当時の韓国国内は、分裂していたのではないでしょうか。

 韓国の意に反すると言っても、当時の状況を考えますと、あれほど国内が分裂し、派閥同士で抗争を繰り返していた韓国に、統一的な”意”があったとも考えられません。政界は、一進会のような親日派、高宋などの親露派、親清派、民族派などに分かれていましたし、また、皇帝の意であるのか、首相の意であるのか、政府の意であるのかも分かりません。日韓併合条約は、李完用を首相とする内閣では受け入れを決定していますので、少なくとも、政府レベルでは、合意したことになります。

 民主化された現代であるならば、国民投票という手段がありますが、当時にあって、韓国が全体として意に反したと断定することには、無理があると思うのです。これもまた、日本国政府も、韓国政府も、歴史を直視していないことの現れなのではないでしょうか。

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