時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

泉佐野市命名権売却―コスト計算なきアイディア

 泉佐野市の市長が提案した命名権の売却案は、案の定、市の名称変更に反対する市民の怒りを買っているそうです。市長も、この提案を諦めるらしいのですが、実際に命名権が売却されたとしたら、相当のコストがかかったのではないかと思うのです。

 まずは、道路標識や案内図を含め、印刷物や掲示物の名称を、全て新しい名称に変える必要があります。これだけでも相当の出費になるのですが、民間においても、泉佐野市に住所を置く全ての市民や企業に対して、同様の支出と面倒を強いることにもなります。名刺や名簿などの住所の表記は変えなくてはなりませんし、住所の表記変更を通知するだけでも、ひと苦労です。命名権に契約期間があれば、その度に、定期的に同様の対応を取らなければならないのですから、命名権売却は、収益を生むばかりではありません。

 市長は、このアイディアを、軽い気持ちで提案したそうですが、実際に実行に移されたとしますと、行財政の無駄を省くどころか、さらなる負担を背負い込むことになります(それとも、この負担は、企業に転嫁する予定?)。財政の健全化案は、どのようなアイディアであれ、コスト計算を省いてはならないと思うのです。

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