時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

駐韓米国大使襲撃事件-国際法上の義務を怠った韓国

 韓国で発生した駐韓米国大使襲撃事件は、国際社会に、韓国における要人警備体制の不備を露呈することにもなりました。犯人の背景については憶測が飛び交っておりますが、韓国政府にも責任があることは明白です。

 「外交関係に関するウィーン条約」の第29条は、外交官の身体は不可侵と定めております。その後段には、「・・・接受国は、・・・かつ、外交官の身体、自由又は尊厳に対するいかなる侵害をも防止するためすべての適当な措置を採らなければならない」とあり、韓国もまた、米国大使の身体を最善を尽くして防御する国際法上の義務がありました。ところが、報道によりますと、チェックされることもなく、犯人は刃物を隠し持ったまま会場に入っており、事件の現場となった講演会の警備はあまりにもお粗末です。これでは、テロ誘発説まで疑われるレベルです。

 韓国が、誠実に国際法上の義務を果たしていれば、今回の事件は未然に防ぐことができたかもしれません。法の支配の欠如は、徐々に韓国という国を蝕んでいくのではないかと思うのです。

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