時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

70年談話において充たすべき要件とは

 今夏に予定されている安倍首相の70年談話について、中国から、既に”検閲まがい”の注文が突きつけられております。河野談話村山談話、小泉談話と続く歴代の談話が波紋を広げる結果となっただけに、70年談話の内容には、内外からの強い関心が寄せられています。

 焦点の一つは、村山談話に明記された”侵略”という表現の扱いです。特に中国が拘る文言ですが、70年談話にあっては、以下の要件を満たす必要があるのではないかと思うのです。

(1)第二次世界大戦を、単なる”日本国による侵略戦争”に矮小化しないこと。
(2)新たな談話によって、中韓等の無法国家化を助長しないこと(感情的な反発を招くのではなく、反論のしようもなく、黙り込んでしまう内容が望ましい。)
(3)過去の3つの談話によって傷つけられた日本国の名誉を回復すること。
(4)同盟国であるアメリカをはじめ、旧連合国との関係を壊さないこと。
(5)戦後における植民地化されていた諸国の独立を肯定的に評価すること。
(6)かつての同盟国であった旧枢軸国との関係も良好に保つこと。
(7)平和国家としての日本国の戦後の歩みに対する国際的理解を促進すること。
(8)国際社会における法の支配がさらに確固となるよう貢献すること。
(9)全人類に希望を与える談話であること。

 これらの要件を全て満たす解を見出すことは至難の業であり、不可能なようにも思えます。しかしながら、要件を明確化すれば、解の探求はいくらかは容易となるかもしれません。明日の記事では、解が存在するのか、しばし考えてみる予定です。

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