時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ネオ・ユダヤ組織の思想の起源もモンゴルか

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。高麗王朝および李氏朝鮮とモンゴルとの密接な関係を概観してきましたが、ここで、モンゴルと朝鮮半島との関連が、なぜネオ・ユダヤ組織との関連において、今日でも問題となるのか、この点を知るための第一歩として、モンゴルについて扱う必要があるようです。
 
モンゴル民族とは、カラコルムを中心とした極小さな草原地域に暮らす遊牧騎馬民族であったのですが、13世紀に、チンギス・ハーンが出て、その領土を急速に、中国大陸、西アジア、ロシアを含むユーラシア大陸へと拡大してゆきました。インドやエジプトにも王朝を建てるようになるとともに、ヨーロッパ大陸北東部にも侵入するようになるのです。このように急激なスピードで領土を拡大した理由は、モンゴルをめぐる以下の特徴にあるようです。
 
1)モンゴル人は、「モンゴルが世界を支配するのは当然」と考えるカルト思想の持ち主だった。したがって、侵略行為を当然の権利と考えていた。
2)侵略対象国に対し、一方的にモンゴルの支配を受け入れるよう‘通牒’を送り付け、拒否すると有無を言わさず軍事行動を起こした(我が国に対する元寇の経緯もその典型例)。
3)口実を設けて、侵略対象国と平和条約を結び、その後、一方的に条約を破って侵略を開始した。
4)ヨーロッパの馬よりも小型で耐久性の強い馬を有しており、軍隊の移動速度が、通常の行軍スピードの3倍近くあった。また、雪原でも行軍できた。
5)兵士は、一糸乱れぬような集団行動が訓練されていた。
6)外国人技術者を登用して、最新の攻城機や火器を用いた。
7)兵士は、上司に対して全体服従であった。
8)相手方から味方を引き込み、情報収集機関として用いるなど、巧みなスパイ網を構築した。
9)徹底した殲滅作戦を実行した(モンゴル軍の侵略を受けた国々では、国土は焦土と化し、人々は殺戮されるか奴隷となった)。
10)征服した相手から特に有能な者だけは登用し、他の人々は、情け容赦なく奴隷化するか、虐殺した。
 
このようなモンゴルのおぞましい特徴は、今日の国際法秩序におきまして、ほとんどすべて違法行為となるような行為なのですが、これを実行したがゆえに、文明世界を滅亡寸前にまで追い込み、世界帝国を築いたのがモンゴルなのです。さしものモンゴル帝国にもやがて終焉の時が訪れますが、世界史に与えたモンゴルの破滅的、かつ、悪魔的な思想は、今日におきましても、姿を変えてしばしば歴史の表舞台に顔を現しているように思えるのです。

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(続く)