時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

天災よりも怖い北朝鮮の人災

 本日の日経朝刊の一面には、日本国政府が、北朝鮮で発生した洪水被害に対して人道支援を行う方向で検討を開始している、との記事が掲載されていました。死者は数百人に上るとの情報もあるようですが、北朝鮮の国民を死と絶望に至らしめた最大の災害は、過酷な金正日体制という人災であると思うのです。

 体制自体が禍であり、日々国民を犠牲にして生き伸びている北朝鮮にあっては、人道支援さえも体制に利用されるかもしれません。支援物資が特権階級によって横流しされたり、また、軍部に優先的に配給されたりしている事実は、新聞やメディアを通して度々報道されています。体制が元凶である限り、如何なる支援も北朝鮮の被害者を助けることにはならないのです。それでも、人道を理由に支援をする、というのでしたら、やはり、モニタリングを実施する必要がありましょう。

 北朝鮮を救うということの究極の意味は、人災であるその体制を崩壊させることかもしれないのです。