時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

イギリス人の悲しみを理解できないヘンリー氏とマークル氏夫妻の問題

 昨今、元英王室のヘンリー氏とその妻であるメーガン・マークル氏は、「差別を受けた」として、英国民に対しての攻撃的姿勢を強めているようです。「差別を受けた」とする点は、特に、夫妻の子のアーチャーが生まれる際に、その子の肌の色が、イギリス人(イギリス人・スコットランド人・ウェールズ人・北アイルランド人)の肌色であるのか、マークル氏由来のブラック・アフリカンの肌色であるのかが英国、並びに、英国王室において問題となったことにあるそうです。

 

 では、なぜ、英国民や英国王室の間でマークル氏の子の肌の色が懸念されたのでしょうか。

 

 英国王室は、基本的には、9世紀にイングランドを統一したウェセックス王家の血統に繋がっていると考えられており、その後、千数百年にわたり英国の歴史とともに歩んできたと言うことができる存在です。9世紀のアルフレッド大王が、イギリス人にも『聖書』を読めるようにと、初めて『聖書』を英訳いたしましたように、英王室は、イギリスの文化や経済の発展に貢献してきたのです。

 

 もっとも、征服王朝時代や18世紀に血統が断絶したとする有力説はありますが、このような点から、英国民にとりまして、英王室はイギリス人を代表しており、イギリス人の民族自決の象徴としても認識されてきたのです。

 

 この点を考えますと、英国民や英王室のメンバーが、英王室のメンバーの肌の色と英国民の肌色と一致することを望んでいることは、言うまでもありません(ダイアナ元皇太子妃が、当初、英国におきまして人気を博した理由は、もっとも英国人らしいルックスであったからとも…)。しかしながら、仮に、マークル氏の子の肌の色がマークル氏由来のブラック・アフリカンのものであり、さらに英国王となった場合には、視覚においても、英国が他人種・他民族によって支配されてしまった様相を呈することになります。換言いたしますと、肌の色が違う国王が即位した場合、イギリス人は自らの民族国家を失い、異人種・異民族による支配を受けている様相を呈することになるのです。

 

 このような民族自決的な民族国家の喪失、すなわち、他人種他民族による支配は、イギリス人にとりまして、当然、大きな悲しみとなります。このような大きな悲しみは、英国のみならず、王室や皇室を有する他の国々でも、同じことでしょう。このことから、英国民は、マークル氏から生まれてくる子の肌の色を非常に心配したのです。

 

 当時、ヘンリー氏とマークル氏夫妻は、公務を行ってはいないものの、夫妻の子には、王位継承権(第7位)があります。チャールズ皇太子やウィリアム王子が相次いで新型コロナウイルスに感染したことは、感染症などが蔓延した場合、マークル氏の子が英国王となる可能性を示しており、なおさらに、英国民にとりまして、マークル氏の存在は、脅威に映っているはずなのです(英王室の‘せのり’を行ったとされる18世紀のヴィクトリア女王も、皇位継承順が非常に低く、王位継承の可能性は無いとされていたにもかかわらず、英王室のメンバーが次々に死去したことによって即位)。そして、おそらく、こうした悲しみと懸念から、マークル氏に対して、マークル氏から生まれてくる子の肌の色の問題を直接指摘した人々があったのでしょう。

 

 ヘンリー氏とマークル氏夫妻は、こうした人々を差別主義者として非難しておりますが、果たして悪いのはどちらなのでしょうか。答えは、ヘンリー氏とマークル氏夫妻であるのではないでしょうか。すなわち、夫妻は、英王室の存在意義を失わせていることに気づかず、国家喪失と異人種異民族による支配というイギリス人にとって受け入れ難い‘ありうる未来’に対する大きな悲しみをも理解することができず、すべてを差別問題にすり替えているのです。

 

 憶測の域はでませんが、ヘンリー氏とマークル氏夫妻は、イルミナティ―(ディープ・ステート)のメンバーであると推測されます。イルミナティ―(ディープ・ステート)は、常軌を逸した自己中心主義でアグレッシブな人々によって構成されているようです。おそらく夫妻は、「差別を受けた」として英国を非難して、国際世論を自らに有利なように誘導して、英王室に返り咲き、ゆくゆく先は英国王夫妻として英国を支配する計画を立てているのかもしれませんが、ヘンリー氏とマークル氏夫妻の‘悪だくみ’の‘しっぽ’は、既に見えている気が致します。