時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

イランの国民は正義を求めた

 大統領選挙の不正疑惑を発端として、イランでは、改革派による抗議運動が続いているようです。NHKなどの報道では、治安部隊や民兵組織のバシジが国民に対する弾圧を強行することで、鎮静化されるのではないかとの憶測を流していましたが、事態は、それほど容易に収拾されそうにありません。何故ならば、この問題は、イランの正義、あるいは、イスラムの正義に関わるからなのではないかと思うのです。

 もし、ここで改革派が、暴力に屈して抗議を諦め、選挙結果を受け入れてしまいますと、イランという国は、不正を黙認する国に堕してしまうことになります。おそらくそれは、イスラム教の教えにも反するものでしょうし、普遍的な道徳にも反するものです。かのホメイニ師でさえ、この行為は、認めなかったことでしょう。保守派が、イスラム教の教えに背く行為を行ったとしますと、保守を任ずる側こそ、保守派を名乗る資格がないことにもなるのです。このことは、イラン国内の分裂と混乱が、国民が納得する解決案が提示されるまで、長期的に亘って続くことを示唆しているように思われるのです。

 正義を求めたイランの国民には、救いがあります。一方、アジア諸国を眺めてみますと、政府側の弾圧によって全てが押しつぶされてしまう現実があるのです。イランの将来が、正義を求める人々によって切り開かれるとしますと、それは、アジア諸国の人々にも勇気を与えるのではないかと思うのです。

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