時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

生方副幹事長事件―”大人の対応”とは?

 小沢氏批判を咎められ、一旦は解任の方針で検討された生方氏の処分は、小沢氏の独断で解任は取り消しとなったと報じられています。この決断に、解任の急先鋒であった幹部が、態度を一転し、”大人の対応”と絶賛したそうですが、こうした態度は、”大人の対応”と言えるのでしょうか。

 しかも、この幹部は、副幹事長続投で、生方氏は外に向かって小沢氏の批判を言えない、と付けくわえたそうです。この発言から読み解きますと、小沢氏は、自らへの批判を封じることを条件に、生方氏の解任を見送ったことになります。そもそも、党内の人事を、党内に諮らず、小沢氏の一存だけてで決まること自体が異常な”独裁体制”といえるのですが、もし、この取引が成立していたとしますと、これは、独裁体制を支えるための”打算的な取引”ということになります。そうして、この取引によって、言論の自由や民主主義といった価値を犠牲としているとしますと、それは、保身に走る”大人の狡さ”であると同時に、より大切なものを失うという意味において、”愚かな対応”ということになります。

 しばしば、大人ぶる人ほど、幼児性のエゴイズムを隠し持ち、”大人”を持ち出すことで非難をそらし、自己弁護に努めるものです。民主党の意味する”大人”が、小沢氏の暴走を擁護するものであるならば、それは、成熟した大人ではなく、未熟で卑屈な”大人”の対応であると思うのです。

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