時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

超円高―日本国債の乱発が原因か

 先日、日経新聞に、中国や新興国の資金が、イギリスの金融機関を介して、日本国の短期国債市場に流れ込んでおり、円高の一因となっているとする記事が掲載されていました。日本国政府は、G7において超円高を議題に挙げたいようですが、もしかしますと、日本国債の問題も合わせて考える必要があるのではないかと思うのです。

 我が国の公債費は凡そ44兆円にも達しており、毎年、巨額の国債を発行しています。これまで、国債は、国内の金融機関によって消化されてきたわけですが、もし、外国の金融機関が、日本国債を購入しようとしますと、外国為替市場で円資金を調達する必要があります。つまり、安定資産として国債の評価が高まるほど、経済状況の如何に拘わらず、円高が亢進してしまうのです。もし、この現象が起きているとしますと、日本国政府は、財政再建問題とリンケージする形で円高対策を講じる必要があります。

 日本国債の大量購入は、輸出競争力の低下を狙った中国や新興国による意図的な”円高政策”である可能性も高いのですが、これ以上巨額の国債を発行し続けることには、通貨面においても危険が伴います。政府は、まずは、円高の原因を徹底的に調査し、その原因に即した解決策を考案すべきと思うのです。

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