時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

非常識な韓国の僧侶

 ネット上では、韓国の僧侶がフランスを訪問し、日本国の”禅”は偽りであり、韓国の”参禅”が正しいとして、今後は、世界に韓国仏教を広げたい、と発言したとする情報が波紋を広げているようです。

 そもそも、仏教の僧侶の発言としては、攻撃的であり、かつ、自国贔屓であることに驚くのですが、仏教とは、世界宗教であることを考慮しますと、この発言、あまりに非常識ではないかと思うのです。仏教は、その発祥の地であるインドからアジア一帯に伝播し、人々の信仰を集めることで、それぞれの地に、その土地柄に合わせて定着しました。このため、様々な宗派や教義が叢生しましたが、それはみな、仏教から派生したものであって、”偽物”も”本物”もありません。もし、日本の禅を”偽物”と断言するならば、それは、自らを唯一の正統な教義と見なし、日本の仏教を異端として排斥するようなものです(かつて、キリスト教でもカトリックが正統な教義とされ、他の宗派が弾圧された…)。禅そのものは、天竺の香至国から6世紀頃に北魏に至り、この地で悟りを開いた達磨が開祖とされており、韓国の”参禅”もまた、その一流派に過ぎません。韓国仏教は、唯一の正統な教義を主張する立場にもないのです。

 日本国の禅は、日本の歴史と文化の中で独自に培われてきたものですので、それを、”偽物”と海外で言いふらすことは、日本国の名誉を棄損しています。日本国は日本国、韓国は韓国なのですから、日本国を貶めることを以って自国をアピールする手法は、仏教徒としても誤っていると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>