時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

生活保護受給は保護されるべき個人情報なのか?

 高額の所得のある芸能人の母親が、生活保護を受けていた事件について、”生活保護の受給という個人情報が公開されるのは人権侵害”として、擁護する意見があるようです。しかしながら、生活保護受給の事実は、保護されるべき個人情報なのでしょうか。

 かつては、生活保護を受けている人々は、受給の事実を”恥ずかしい”と感じ、できるだけ早くにその状態から抜け出ようと努力されたそうです。しかしながら、現在では、”生保は当然の権利”とみなし、”もらえるものはもらっておけ”という態度の人々が増えているそうです。この芸能人の母親も、”息子は何も悪いことをしていない”と開き直っています。もし、当然の権利であるならば、受給の事実を公開しても構わないのであり、隠す必要などはないはずです。また、負担者は、国民なのですから、公的な給付政策として実施されている制度については、知る権利も認められて然るべきでもあります。どこの誰であるかもわからない人々に、多額の予算が費やされている現状こそ、生活保護の受給者が増加する原因であるのかもしれません。

 積極的に受給者リストを公開する必要はないとは思いますが、少なくとも、個人情報の保護を以って、不正受給の隠れ蓑としてはならないはずです。むしろ、社会が受給者の自立を支援するという意味においても、受給者の姿が見えた方がよいのかもしれないのですから。

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