時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

生活保護問題―被害者は国民

 芸能人の河本準一氏の母親が生活保護を受給していた件について、問題を提起した片山議員に対する批判や法律違反でなければ無問題とする擁護論もあるようです。しかしながら、この問題、被害者は、国民であることを忘れてはならないと思うのです。

 高額所得者の親族の生活費が、公費から支給されていたとしますと、これは、納税者にとりましては、余計な負担を強いられたことになります。被害者は国民なのですから、国会議員が、この問題を追及することは当然であり、国民の利益を守る行為でもあります。片山議員への非難は、自らは恵まれた環境に育ちながら、弱者を実名で批判することは許せない、弱者いじめである、ということのようですが、河本氏は、年収5000万円を越えるとされる高額所得者であり、一般の人々より、はるかに経済的には恵まれています。弱者どころか、強者であり、その強者が、弱者のための制度を悪用したことが問題となっているのです。また、調査には強制権がないので、違法行為ではないとする意見はありますが、民法では、親族の扶養義務を定めています。仮に、この規定を無視し、現在、被扶養者の立場にある人々が家族から離れて一人暮らしを始めますと、生活保護受給者数は、青天井に上昇するはずです。誰もが、常識的に行動し、公費に頼らないように生活を送っているのですから、この事例を認めますと、早晩、財政は破綻してしまいます。

 河本氏に対する擁護論はあるものの、多数の賛同を得られない理由は、一般の国民が被害者であるからです。政府は、国民から強制的に税を徴収しているのですから、その使い道についても、厳格であるべきと思うのです。

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