時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

領土問題―司法解決がベストな理由

 北方領土尖閣諸島竹島は、それぞれ、日本国と周辺諸国との間の北、南、西の境界に位置しています。つまり、太平洋が広がる東を除いて、四方に領土問題を抱えていることになるのですが、司法解決がベストな理由は、法の否定が、暴力が支配する野蛮な時代への回帰を意味するからです。

 そもそも、”侵略”は、法と表裏一体の言葉でもあります。法なき時代には、ユーラシア大陸をほぼ制覇したジンギス・カーンのように、武力による領土拡大は英雄視され、必ずしも倫理的な批判を受けませんでした。法によって領有権を保障する仕組みが成立して、はじめて、こうした行為は、違法な行為として咎められることになるのです。ですから、法の存在を無視して、領有の正当性を主張しても、それは、侵略の肯定と同義となります。この点、中国も韓国(北朝鮮も…)も、尖閣諸島竹島に対する法的な根拠ないのですから、日本国に対する言いがかりか、自らの”侵略を認めよ”と主張しているようなものなのです(ロシアもまた、北方領土を併合する法的根拠がない…)。

 この点を考慮しますと、領土問題は、法的根拠こそが解決の土台となります。日本国政府が、安易に両国に妥協しますと、先人達が多大な努力や犠牲を払って構築してきた国際社会の法秩序を、もろくも崩壊させてしまうことになるのではないかと思うのです。

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