時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

尖閣諸島・竹島問題―ICJ提訴拒否国を推定無権利国とみなしては

 国連総会における野田首相国際法重視の演説に対して、すかさず中国側は、日本側こそ、国際法を捻じ曲げているといった反論を試みているそうです。

 ところで、竹島については、既に日本国側が、韓国に対してICJへの共同提訴を申し入れています。この提案に対して、韓国側は、にべもなく拒絶したのですが、誰もが、拒絶理由は、韓国の歴史、並びに、法的根拠が薄く、裁判に負けることを怖れているからと推測しています。そして、中国や台湾もまた、尖閣諸島の歴史、並びに、法的な根拠は疑いもなく自国にあると主張しながら、日本国政府に対して、ICJへの共同提訴を提案しようとはしません。中国や台湾もまた、ICJでの司法判断となれば、自らの言い分は、到底通らないと分かっているのでしょう。このことは、ICJへの提訴を拒否している国の方が、提訴を受容している国よりも、領有権の正当な根拠に乏しいことを意味しています。

 この一般的な傾向から、国際社会は、ICJへの提訴を拒否、あるいは、敢えてこの手段を使わない国を、正当な領有権を持たない推定無権利国と見なしても良いのではないかと思うのです。つまり、推定無権利国が、武力行使に訴えた場合には、安保理において即座に”侵略”と認定されても文句を言えない立場になる、と言うことです。推定無権利は、応訴拒否や提訴忌避を防ぐ効果があると思うのですが、いかがでしょうか。

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