時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国の”戦争政策”への対応を

 マスコミをはじめ、内外の識者の多くは、尖閣諸島をめぐる問題については、双方が、冷静さを保ち、挑発的な行動さえとらなければ、何事も起こらないと信じているようです。しかしはがら、本当に、予測通りの結果が待っているのでしょうか。

 鎮静化論者の人々は、当然に、尖閣諸島の防備体制を整えることにも大反対です。そのようなことをすれば、中国を刺激し、戦争を誘発すると…。この主張は、日本側が何もしなければ、中国が、武力行使に及ぶことは絶対にない、とする楽観的な観測に基づいています。日中間のホットラインの開設や、周辺海域における行動ルール造りの提案も、この路線上にあります。中国に全幅の信頼を寄せ、”話せばわかる相手”とみているのです。しかしながら、もし、信頼に足る国家であれば、毎日のように、尖閣諸島に中国船が出没することはないはずです。国内的な不安定化が深まる中で、習新体制が発足した中国は、国内事情を優先し、”戦争政策”として、軍事力に訴えるという可能性は否定できないのです。国際法では、武力行使は違法行為となりますので、普通の国は、相当の理由がない限り、軍事力を発動しようとはしませんが、国によっては、武力行使のハードルが極めて低い国もあるのです。

 中国が武力行使のハードルが低い国であるとしますと、中国を協調可能なパートナーと見なす楽観論の前提は、崩れ去ります。一方の側が、戦争を望まなくとも、他方の側から仕掛けられることはあり得るのです。日本国政府は、中国が、戦争政策として、尖閣諸島において軍事行動を起こす可能性を考慮し、対応を急ぐべきと思うのです。

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