時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日中同時尖閣諸島領有権放棄論の怪

リンク: <a title="「偶発的な武力衝突」の警告に日本メディアが注目―中国紙 - 速報:@niftyニュース" href="http://news.nifty.com/cs/world/chinadetail/rcdc-20130304027/1.htm">「偶発的な武力衝突」の警告に日本メディアが注目―中国紙 - 速報:@niftyニュース</a>.
 尖閣諸島をめぐる緊張が高まる中、アメリカでは、複数のメディアが、偶発的な武力衝突を回避するために、”尖閣諸島の領有権を同時に放棄するよう、日中に勧める”との発言があったと報じたそうです。この記事、人民網の日本語訳のためか、ケリー国務長官の動向に絡めながらも、主語が判らず、誰の発言であるのかは不明です。

 こうした怪しい報道は、もしかしますと、中国側の巧妙なマスコミ工作なのかもしれません。発言の主が判らないような書き方からしますと、発言者はケリー国務長官ではなく、中国人記者、あるいは、中国系アメリカ人である可能性も否定できません。しかも、日本国のマスコミにもこの記事が掲載されるよう手配しているとしますと、中国は、日本国に、用意周到に尖閣諸島の領有権を放棄させるための罠をしかめているとも考えられるのです。しかしながら、そもそも、中国側には、放棄すべき”領有権”そのものがなく、しかも、仮に日本側の放棄によって無主地となれば、中国が、力づくで尖閣諸島を占領するに決まっています。この記事、それとなく、中国を正当な権利保持者のように見せかけつつ、合わせて軍事行動を仄めかして日本国に譲歩を迫っているところに、中国側の工作の影を感じるのです。

 尖閣諸島を狙う中国は、武力による挑発のみならず、全世界のマスコミを駆使して、世論誘導や懐柔工作を仕掛けてくるはずです。日本国は、政府も国民も、中国の巧妙な工作に騙されないよう、常に警戒を怠ってはならないと思うのです。

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