時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

飯島訪朝-拉致事件先行解決のリスク

 内閣官房参与の飯島氏が北朝鮮を訪問した件については、様々な憶測が飛び交っております。拉致事件の解決が議題となったとも伝わりますが、核・ミサイル開発を放棄しない段階での北朝鮮への歩み寄りは、あまりにも危険であると思うのです。

 夏の参議院選挙を控え、安倍政権が、拉致事件の解決に積極的に取り組む姿勢は理解できますし、一刻も早い拉致被害者救出は、国民の悲願でもあります。しかしながら、拉致被害者の帰国を引き換えに、迂闊に北朝鮮と妥協しますと、将来に予測される被害は甚大です。核爆弾には、一都市を丸ごと破壊する能力がありますので、想定される被害は数千万を下りません。この被害は、日本国のみならず、北朝鮮のミサイルの射程距離の範囲に入る、全ての国に起きうるのです。このことは、日本国の政治家に、苦渋の選択を迫ります。拉致被害者を救出するために、全国民を核・ミサイルの脅威に晒すのか、そして、自国のみならず、他国の国民の命も…。かつて、福田元首相は、”人の命は地球より重い”と発言し、テロリストの要求を飲んだことで、その後に多数の被害者が発生しました。

 拉致被害者の救出は、北朝鮮を利し、かつ、自国民や他国民を危険に晒す交渉方式ではなく、やはり、北朝鮮の崩壊を後押しする方が、賢明なのではないかと思うのです(あるいは、特殊部隊による救出作戦…)。拉致事件と核・ミサイル開発を切り離して妥協した結果、北朝鮮の軍事力が増強したのでは、自国の安全を犠牲にする供することになりかねないと思うのです。

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