時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

戦後最悪の日韓関係-問題の根源は韓国の親中ファクター

 報じられるところによりますと、国際協力機構緒方貞子前理事長を含む日米韓の識者の方々が、11日付の米紙ワシントン・ポストの電子版に寄稿し、戦後最悪となった日韓の関係改善を促したそうです。

 北朝鮮が不穏な動きを見せている中、日米韓の結束を固めたい思いからの寄稿と推察されますが、東アジアにおける近年の重大な変化を見落としていると思うのです。それは、韓国の対外政策の軸が親米から親中に傾いていることです。度重なる日本国に対する嫌がらせや強圧的な要求も、中国の後ろ盾を意識してのことでしょう。また、韓国軍は、中国の人民解放軍との協力関係を深めているとの指摘もあり、韓国にとりましては、休戦状態にある北朝鮮の敵視は当然としても、日本国もまた、将来戦争となり得る潜在的な敵国なのです。寄稿文には、日韓の対立激化について”両国の指導者は問題の根源に公然と目を向ける時だ”と訴えているそうですが、問題の根源が、韓国の親中政策にある場合、日韓関係の改善は無意味となります。否、途中で寝返られる可能性があるのですから、危険でさえあるかもしれません。

 戦後最悪の日韓関係は、二国間の関係のみから生じたのではなく、中韓関係の変化と連動しています。日韓両国が首脳会談を開催しようとも、歴史的な親和性から韓国が前近代的な暴力主義を是とする中国に接近した以上、元の状態への回復に努めるよりも、新たな状況への対応こそ急ぐべきと思うのです。

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