時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

戦争反対は中国に対して訴えるべきでは?

 集団的自衛権の行使に反対する人々は、憲法解釈の変更により、即、日本国が戦争を行う国になると主張しております。しかしながら、集団的自衛権行使の有無に拘わらず、戦争は、攻撃を受けた時点で発生するものです。
 
 今日の国際情勢を観察しますと、国策として戦争を遂行し、日本国に対して戦争を仕掛ける可能性が最も高い国は、軍事大国にのし上がった中国です。このことは、中国側の決断の如何によって、戦争が何時でも起きうる状況にあることを示しています。改革開放路線以降、急激な経済成長を遂げた中国も、近年、成長の鈍化と共に、政治腐敗や経済格差といった国内問題が深刻化し、国民の不満も高まっております。不満解消のために外部に敵を造り、対外的な成果を上げることは、古来、統治者の常套手段として使われてきたのですから、中国もまた、明日にでもこの方法に訴えるかもしれないのです。
 
 戦争回避を心から願うならば、攻撃側の意志を変える以外に方法はありません。集団的自衛権の行使に反対し、防御側の弱体化を誘うよりも、余程、効果があるのではないでしょうか。中国に対して、面と向かって戦争反対を主張する勇気もなくして、日本国の集団的自衛権の行使に反対する人々は、無責任、かつ、卑怯なのではないかと思うのです。
 
 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
イメージ 1