時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

河野談話の維持の首脳会談条件化-韓国のオウンゴールでは

 日韓首脳会談の開催に際して、韓国側が、日本側の譲歩を条件としてきたことはよく知られております。慰安婦問題に関する謝罪と賠償がその最たるものですが、報道によりますと、最低限、河野談話を維持するよう、条件を変えてきたそうです。
 
 ところで、この条件の変更、韓国にとりましては、オウンゴールとなるのではないでしょうか。何故ならば、これまで韓国政府は、表向きであれ、河野談話は、日本国が厳密に調査を実施し、自らの判断で決定したものである、とする立場を表明してきたからです。ところが、河野談話を外交交渉の取引材料として自ら持ち出すとしますと、それは、河野談話の客観性を否定すると共に、談話に対する韓国政府の介入を内外に示したことになります。河野談話が”日韓の作文”であったことは、既に再検証作業で判明はしているのですが、韓国による首脳会談の条件化は、河野談話とは、結局は日韓の外交問題であることを浮き彫りにしているのです。
 
 このことは、河野談話の骨抜きに、韓国は、意図せずして自ら協力したことを意味します。不当な外交圧力でしか維持できないような河野談話は、やはり、見直すべきではないかと思うのです。
 
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