時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:チンパンジーの悪しき習性を持つ人々の脅威は‘国際社会’の維持問題とかかわる

 今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。チンパンジーの悪しき習性といたしまして、①から④の習性を指摘させていただきましたが、これらの類人猿の悪しき習性を残して進化してしまった人々が、人類にとっての脅威となることの最大の理由は、これらの人々の悪しきパーソナリティーとメンタリティーが、国家レベルでは、‘社会通念common sense’という‘常識’や‘良識’の崩壊、世界レベルでは、その‘社会通念’によって支えられている‘国際社会the world community, the international society’の崩壊という問題と深くかかわっているからです。
 
今日、‘国際社会’という言葉が、世界レベルにおける人々の常識的見地を意味する言葉として用いられておりますように、世界の大多数の人々の社会常識が、総じて、世界全体、すなわち、人類の常識として通用しております。
 
では、今日の国際社会における常識とは、どのような常識であるのかと申しますと、‘反チンパンジー主義anti-chimpanzeeism’であると言うことができるでしょう。すなわち、いわば‘まともな人類’は、ミラーニューロンを生涯保持しているがゆえに、個人レベル、国家レベル、世界レベルにおきまして、生存権や所有権も含め、自己の基本的権利のみならず、他者の基本的権利をも尊重し、他者と協調してゆくことをよしとする価値基準が、常識となっているということになります。
 
したがいまして、例えば、「① オスのチンパンジーにとって、群れにおける序列が、人生ならぬ‘さる生’のすべてとなっている」や「② 他者から略奪して配る猿が、‘偉い猿’である」、「③ チンパンジーは共食いをする」などといった①から④の悪しき習性を具現化させたような国家は、‘国際社会’から強く非難されることになるわけです。
 
ところが、恐ろしいことに、類人猿の悪しき習性を残して進化してしまった人々が増加いたしますと、この国際社会の常識が常識ではなくなるのです。①、②、③、④の習性を礼賛する人々によって、世界の人口の多数が占められてしまいますと、また、社会に影響力のあるポストや地位の大多数が占領されてしまいますと、‘国際社会’の常識を唱えていた人々が少数派となってしまい、倫理的、道徳的見地から、①、②、③、④の習性を礼賛する人々の悪行を、抑止することが困難となってしまうのです。すなわち、少数派の非難の声は、多数派からの「いいじゃないか」という声にかき消されてしまうことになるのです。
 
人類は、‘国際社会’を維持することが困難となるという深刻な問題をかかえていることになります。
 
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(続く)