時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ヨルダンの人々を犠牲にしてはならない

 マスコミなどの報道によりますと、日本国政府は、「イスラム国(ISIL)」が示した人質交換提案を受けて、ヨルダン政府との協力を進めているそうです。しかしながら、ここでテロリストの要求を飲むとしますと、日本国は、自国民?を救出することと引き換えに、ヨルダンの人々を犠牲にすることになります。

 
 釈放要求の対象は、50人以上を殺害した自爆テロの罪で収監されている女性死刑囚のみならず、他のテロリストにも及んでいるとの情報もあります。既に多数の人々の命を無慈悲に奪ってきたテロリストが釈放されとなりますと、今後、中東地域におけるテロの被害者がさらに増えることは、当然、予測されます。人質解放の目的は、テロ要員の拡充に決まっているのですから。将来において釈放されたテロリストが多数の人々を殺害した場合、日本国政府は、ヨルダンの人々に対して、何とお詫びした良いのでしょうか。また、人質交換が成立したからと言って、「イスラム国(ISIL)」が日本人をテロの標的から外すとは考えられず、チャンスがあれば、同様の事件は、何度でも起きることでしょう(あるいは、国際テロネットワークの協力によって、事件が仕組まれるかもしれい…)。

 テロリストに対する安易な妥協は、将来においてさらに深刻な事態を招くことになります。将来の犠牲を考慮した判断こそ、望ましいのではないかと思うのです。

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*最初に投降した時点において、ヨルダンをレバノンと誤って表記してしまいました。大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。