時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

熊本地震からの教訓-広域災害時協力体制の構築を

 これまで、九州では、巨大地震の発生が観測されてこなかったことから、災害への備えが十分ではなかったとする指摘があります。今般の熊本地震は、九州であれ、日本列島は災害という宿命から逃れられないことを、改めて実感させられることとなったのです。

 自然災害が宿命であるとしますと、早期の復興へ向けた準備もまた、国、地方、国民が協力して取り組むべき宿命的な課題となります。古来、日本国の復興の速さには定評があり、海外の書物には、”日本では、災害が起きてもその翌日には、同じ場所で既に店が開かれている”とする記述があるそうです。できる限り早い時期に生活を再建し、人々が日常を取り戻さないことには、国土が荒れる一方となるのは目に見えております。熊本でも、現在、復興に向けた様々な取り組みが行われておりますが、隣県の福岡モデル-自己完結型支援-も注目されているようです。今後、巨大地震の発生が予想される地域でも、もしかしますと、被害を受けていない隣接地域による迅速な支援が、救援や復興に効果を発揮することも予測されます。

 こうした地方自治体間の広域的な協力体制を事前に構築しておけば、被災地の負担を軽減すると共に、災害パニック的な混乱をも避けることもできます。熊本地震は、今後の防災に関して多くの教訓を残しましたが、その教訓は、今後の熊本地震の復興そのものにも生かされるのではないかと思うのです。

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