時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

世界支配志向勢力はカルト宗教の複合体

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今日は、イエス・キリストの生誕を祝うクリスマスです。キリストの出生が祝われる理由の一つは、キリスト教世界では、イエス・キリストこそ、神様の考えをよく理解し、その考えを人々に伝える‘正しい預言者’として位置付けられていることにあります。人類は、このような預言者を得たことで、神様の御心にかなった立派な世界を築いてゆくことができるというわけです。
 
しかしながら、『聖書』「黙示録」によりますと、「偽預言者false prophet」が登場し、本ブログにおきましても、再三、述べておりますように、「野獣the beasts」と「赤い竜the red dragon」とともに、キリスト教世界を滅ぼそうとするわけです。この「偽預言者false prophet」とは、11月18日付本ブログで述べましたように‘最後の預言者’と主張していたマホメットを教祖とするイスラム教徒を意味していると、考えますと、当を得ていると言うことができます。
 
キリスト教世界は、なるべく、地球上にも、天国のような社会、他者協調型の社会をつくろうと努力し、基本的権利や人権を保証する制度を整えてまいりました。しかし、一方のイスラム教は、社会における上下関係を重視し、しかも、自らは上位、すなわち、支配者となろうとするとする他者犠牲型の宗教です。さらに、この2つの宗教には、‘エデンの園の東’の位置づけをめぐっても大きな違いがあります。キリスト教は、お洋服を着ることの無い動物のような姿で、しかも、盲目で、安逸に暮らしているアダムとイヴが、エデンの園の東を出立することを、神様の世界に近い社会を人類が地球上に築くための第一歩として肯定的に捉えておりますが、一方のイスラム教は、これを否定的に、‘追放’と捉えているのです。文明化civilizationとは、前者を意味しますので、イスラム教徒は、原始的で野蛮状態を肯定していることにもなるのです。
 
このように考えますと、「偽預言者falseprophet」は、イスラム教だけではなさそうです。世界支配志向勢力は、支配思想におきまして、「偽預言者falseprophet」の部類に属しますが、この勢力と近い関係にあるイエズス会は、一説によりますと、実は、ユダヤ教系の組織であるといいます。また、イエズス会創始者であるイグナチィウス・ロヨラが、黒マリア信仰者であったことに示されますように、キリスト教の仮面を被った別のカルト宗教も、「偽預言者false prophet」の範疇に含むことができるようなのです。また、黒マリア信仰との関連では、現在でも、中国大陸における主流宗教であって、原始・野蛮状態を称賛している中国の道教も注目されます。道教をめぐりまして、唐の高宗が、その祖の老子を「太上玄皇帝」と諡号して崇めていたことに示唆されますように、ここにも、「偽預言者false prophet」の存在が認識されてまいります。
 
すなわち、イスラム教、道教、そして、伝統宗教の異端から新興宗教にいたるカルト宗教の複合体が、反キリスト思想の「偽預言者false prophet」を構成していると考えることができるのです。そして、この問題は、18.19世紀に英国において起こった世界支配志向勢力による英王室の傀儡化という出来事、そして、「幕末に、薩長連合によって、天皇の血筋が断絶せられ、明治天皇が立てられた。孝明天皇ラストエンペラーである。すなわち、19世紀後半に古代の天皇の血筋は断絶している」と深く関連しているようなのです。

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(続く)