時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ユダヤ人の選民思想の源泉とは?

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。今日の記事では、ユダヤ人の選民思想について扱います。

 先祖伝来のユダヤ人とは、‘法の正義’もまだ確立していなかった古代世界におきまして、「モーゼの十戒」を守る啓典の民として、最も文明化された人々、あるいは、シュメールの都市ウル出身のアブラハムを介して世界最古の文明を継承した人々であったと言うことができます。現存する世界最古の法典は、楔形文字で記されたシュメールの『ウル・ナンム法典』です。

 ユダヤ教徒の「選民思想(選ばれし民)」という思想は、しばしば、優越主義として批判される傾向にありますが、この文明人であるという点が、「選民思想」の源泉であると考えますと納得がゆきます。確かに、「モーゼの十戒」を人類のすべてが守りますと、地球上は、あたかも神様の世界のような平和で、調和に満ちた世界となるはずですので、こうした戒律を守る先祖伝来のユダヤ人たちが、神様に最も愛された人々、そして、文明人として最も進んだ人々であると主張しても、あながち根拠がわけではないのです。
 
しかしながら、ここ数日にわたって、述べてまいりましたように、ゲットー内部には、‘ユダヤ教徒’の仮面を被った、イスラム教徒、モンゴル帝国に由来するモンゴル系の人々、そして、イエズス会との繋がりから、中国大陸、インド亜大陸南米大陸、東南アジアなどの様々な民族を出自に持つ人々が、‘ネオ・ユダヤ人’としてユダヤ人組織に加わってきた、と推測することができます。そして、このような人々は、形式的に改宗したユダヤ教徒ですので、「モーゼの十戒」を破る傾向にあったと考えることができるのです。
 
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(続く)