時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

預言は未然防止ためにある

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。そもそも宗教におきまして、預言なる未来予測は、なぜ重要視されているのでしょうか。今日は、預言の意義について考えてゆきましょう。
 
「覆水盆に戻らずIt is no use crying over spilt milk」や「後の祭りthere’s nothing that can be done about it」という諺があります。すなわち、物事には、起こってしまってからでは、もはや遅いという現実があることを表現しているのが、このような諺です。このように起こってしまってからでは遅い状況があることを人々に知らせる役割を果たしているのが、預言なのではないでしょうか。すなわち、起こる前に未然に防ぐことの重要性を人々にアドヴァイスするのが、預言の使命となるのです。
 
『聖書The Bible』『聖書』の「ダニエル記The Book of Daniel」や「暴露録(黙示録)the Revelation」において記述されている人類の未来予測、「最後の審判の日the Judgement Day」をめぐる預言は、サタンの化身とされる「赤いドラゴンtheRed Dragon」、「野獣the beast」、「にせ予言者the false prophet」の悪逆非道ぶりを事細かに描写しており、これらの記述によって、人々は、悪人たちによって世界が支配されるようになると、いかに酷い最悪の状況になるのかを、容易に想像することができます。預言とは、当たるか当たらないかが問題なのではなく、少なからず、人々に、邪悪な人々に対する警戒心を起こさせ、権力の掌握を未然に防止させるに十分な役割を果たしているのではないでしょうか。
 
この点、移民・難民問題におけるトランプ大統領の姿勢は、頭から非難はできないように思えます。現状において、健全で公正な政治システムの構築や経済発展に成功したイスラム諸国が見当たらないのは、あるいは偶然ではないのかもしれません。何故ならば、人々が相互に他者の人格や基本的な権利を尊重し、安全で安心できる社会を構築するという、誰もが願う人類普遍の理想の実現に対して、イスラム教が阻害要因として働いている可能性が否定はできないからです。イスラム教は、信者たちに対して全世界に拡散するように勧め、異教徒に対する改宗や迫害をも奨励しており(国境を無視して自由に移民し、非人道的な行為を訴えてもイスラムの世界を広げる…)、こればかりは『コーラン』に明記している疑いようのない”事実”です。
  
したがいまして、教義そのものに危険思想が含まれるイスラム教の人々の入国と移住は、治安の維持に対し大きな脅威となります。このままイスラム教徒が米国内に増加しますと、やがては人口比におきましても大きな勢力となり、米国がイスラム国となり米国の国家理念が消滅してしまうことは、ありえない未来ではないのです。人権に重きを置く現在の国際・国内法秩序から、一旦、入国した人々、特に、米国籍を既に取得した人々を本国に強制送還させることが難しい点を踏まえますと、最初から入国させない、すなわち、未然防止の政策を採ることを、間違いと決めつけることはできないのではないでしょうか。

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(続く)