時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

チンギス・ハンによる「0・1・2・6の法則」の悪用

 本日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が、記事を書かせていただきます。チンギス・ハンによる超古代思想の悪用につきましては、以下の点も指摘することができます。
 
本ブログにて、『聖書』「ダニエル記the Book of Daniel」と「黙示録the Revelation」、並びに、日本書紀紀年法における0、1、2、6の4つの数字の用例・用途から、人類にとりまして重要な歴史的事象が生じる年代や年数をめぐり、「0・1・2・6の法則」があることについて述べておりますが、この法則も、超古代思想に起源を持っております。人類にとりまして最大の事件となると預言されている「最後の審判の日」も、この法則に適った年代である可能性があり、昨年の西暦2016年もこの法則に適う有力な候補年の一つでした(ただし、暦法との関連で、新年が何月何日から始まるのかをめぐり前後1年の誤差があります)。
 
したがいまして、モンゴルは、超古代思想のみならず、「0・1・2・6の法則」も悪用したようなのです。すなわち、モンゴルの一部族長であったテムジンが、チンギス・ハンを称するようになったのは1206年のことであり、その孫で、元朝を開くフビライ・ハンの即位は1260年のことです。おそらく、ユダヤ人ネットワークを通じて超古代思想についての知識を持つようになったチンギス・ハンは、敢えて1206年にハンを称することとし、自らの即位の日を「最後の審判の日」と位置付け、‘全世界の支配権は、神によって預言されていた’と嘯いたのでしょう。
 
巧妙に、「0・1・2・6の法則」を悪用して、自らの詐欺行為の権威づけを行った点も、チンギス・ハンが稀代の詐欺師である理由となるでしょう。

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(続く)