時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ヒトラーはドイツ国民最大の裏切り者か

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。ヒトラーのアーリア民族(ハム系民族)を中心に据えた人種主義と、「アンチ・セミティズムAnti-Semitism」を掲げた政治活動が、ミュンヘン一揆後において、急速にドイツ国民の熱狂的支持を得るに至った理由は、以下のように纏めることができます。
 
ミュンヘン一揆においてヒトラーが排除しようとしたグスタフ・フォン・カールGustav Ritter von Kahrという人物は、イルミナティーのメンバーであった可能性が極めて高かく、一揆を通して、ヒトラーが反・イルミナティー、「アンチ・セミティズムAnti-Semitism」の立場を鮮明にしていたこと。

ミュンヘン一揆において逮捕されて獄中にあったヒトラーは、‘ユダヤ人(黒いユダヤ人)’が嫌われる理由、すなわち、‘ユダヤ人’の数々の悪行を理路整然と指摘した『わが闘争Mine Kampf』を著し、当時、政界・王室・官界・金融界・学界・芸術・文芸界において強い影響力を持ち、排他主義を敷いていた‘ユダヤ人’に対する、ドイツ国Silent Majorityの声なき批判や不満を代弁したこと。
 
③「現在進行中の悪魔の謀略the continuing Luciferian Conspiracy」の存在を証明する証拠を入手したとして、早くも1784年に「神に関する法律An Act of God」を制定して、反イルミナティー運動を始めているバイエルンに、ヒトラーが政治的拠点を置いたことによって、ドイツ国Silent Majorityの目には、ヒトラーは、反イルミナティーの旗手として映った。
 
ヒトラーのアーリア主義(白人主義)は、この主張のみを単独で捉えると行き過ぎの観はあるが、当時のドイツにおいて、「黒いユダヤ人」が政界・王室・官界・金融界・学界・芸術・文芸界における人事権を掌握しつつあり、コーカソイド(ハム系白人)、すなわち、一般のドイツ国民が差別され、社会的・経済的に不利益を被るようになっていたと考えると、アーリア主義(白人主義)には、こうした「黒いユダヤ人」側の「隠れた攻撃Silent Aggression」に対する防御・防衛の意味があったと考えることができる。
 
このような4点から、ドイツ国民の間でヒトラーは、人気を博するようになるのですが、はたして、ヒトラーは、本当に反イルミナティーの旗手であったのでしょうか。以前、本ブログにて、ヒトラーがむしろイルミナティー側であった可能性と、ヒトラーがモンゴルの得意とする‘挟み撃ち作戦’を実行していた可能性を指摘いたしました。すなわち、ヒトラーは、「アンチ・セミティズムAnti-Semitism
」を装ってドイツ国民を騙したかもしれず、ドイツ国民最大の裏切り者であったかもしれないのです。

 
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(続く)