時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外国人単純労働者が家族を帯同している奇奇怪怪:

 今日も、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。現行の入国管理法では、学者や研究者などの高度な技術や技能を有する外国人労働者にのみ家族帯同が許されております。こうした人々は、少数であるはずなのですが、不可思議なことに、現在、日本各地に家族を帯同している単純労働の外国人労働者が多数居住しており、その子弟を受け入れている学校などの教育機関でも、その対応に迫られているそうです。すなわち、技能実習生につきましてはわかりませんが、高度な技術や技能を有さない外国人労働者までもが、なぜか、家族を帯同させて入国しているということになるのです。
 
その原因につきましては、地方自治体が勝手に受け入れているという説があります(島根県出雲市がその典型)。仮に、この説が正しければ、地方自治体が、国法を破っていることになります。国法は、地方自治体の法律や条例に上位いたしますので、国は、地方自治体に対して国法の遵守を求めるべきなのですが、なぜか、そのような動きは見られません。
 
さらに、そもそも、日本の国際空港や国際港の施設において、高度な技術や技能を有さない外国人単純労働者が家族を帯同させて入国してきた場合、入管手続きを行う法務省出入国管理事務所が、入国拒否をしていてしかるべきであった、という問題があります。仮に、出入国管理事務所が入国を許可していたのでしたならば、法務省が、高度な技術や技能を有さない外国人労働者の家族帯同を、勝手に認めていることになり、法の遵守を求めるべき法務省自身が国法を破っているという恐ろしい事態が生じていることを意味するでしょう。
 
いずれにいたしましても、このような不正家族帯同外国人単純労働者に対しましては、国外退去を求めねばならないと言えます。現時点では、不正家族帯同外国人労働者を見つけることは容易ですが、仮に、「出入国管理及び難民認定法入管法)及び法務省設置法改正案」が成立いたしますと、こうした人々は、新たな家族帯同の外国人労働者の間に紛れてしまい、対応も難しくなるでしょう。
 
このように考えますと、外国人単純労働者の家族帯同をめぐる現在の日本の状況は奇奇怪怪であり、政府は、国民に対して、なぜ、このような事態が生じているのか、その経緯と責任の所在を説明するべきでしょう。

 
よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
 
 
(続く)