時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

憲法改正はアラカルト方式で

 国民投票法案が国会において可決されたことにより、今後、わが国でも、憲法改正に関する議論が活発化するものと予測されます。ただし、この憲法改正手続きを進めるに際して、予め決めておかねばならないことがあります。それは、憲法典そのものを置き換える全部改正とするのか、それとも、憲法の一部の条文のみを修正する部分改正とするのか、ということです。

 全部改正ですと、たとえ国民が、この条文は変えたいけれども、別の条文は変えたくない、と判断したとしても、両者を切り離した形で選択することはできません。あたかも”抱き合わせ販売”の如く、〇と×がセットとなってしまうのです。一方、部分改正ですと、国民は、これは○、こちらは×、という具合に、アラカルトで選択することができます。どちらの方法が、国民の選択肢を広くするかと申しますと、やはり、後者の方法と言えましょう。

 それでも、憲法典そのものを変えたい、という場合には、項目ごとに、予備的な国民投票を行うなどの工夫が必要なのかもしれません。