時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

北京オリンピック―国民の感情は正直―

 8月の北京オリンピックを控え、旅行各社が、オリンピック・ツアーの売り出しを始めたところ、期待していたほどには参加者が集まらず、ツアー料金の大幅な値下げに踏み切る業者も現れたそうです。毒入り餃子事件、中国のチベットへ弾圧、長野の聖火リレー胡主席の訪日と、日中関係をとりまく状況は荒れ模様の連続でしたが、どうやら、国民意識は、日中友好とはほど遠いいところにありそうなのです。

 もちろん、政府やマスコミでは、懸命に日中友好が演出され、国民は、表面をつくろわれた映像を見せられてきました。しかしながら、その効果は、国民の中国に対する意識を好転させ、行動を変えるには至らなかったのではないでしょうか。中国では、未だに反日感情がくすぶり、毒入り餃子事件でも明らかとなったように、かの地で何らかのトラブルや犯罪に巻き込まれても、日本人とあれば、十分に救済されそうにありません。また、チベット弾圧に対する非難の声も決して消えたわけではないのです。

 中国は、北京オリンピックを舞台に、国際社会に大国としての自国をアピールしようと考えたことでしょう。しかしながら、この壮大なイベントは、中国にとって、自国を省みる反省材料となるかもしれません。政府よりも、日本国民の、そうして、世界中の人々の正直な感情と行動こそが、中国に、暗黙のうちにそれを伝える手段となるのではないか、と思うのです。

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