時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国の難民政策の不思議

 日本国は、難民の受け入れが少ないとの国際批判を浴び、「第三国定住」なる方式を導入する方向で検討を進めていると言います。しかしながら、日本国の難民政策については、いくつかの点で考えなくてはならない点があるようなのです。

 第一に、日本国の難民受け入れ数が少ないとの批判は、朝鮮戦争に際して、我が国が大量の難民を受け入れたことを考えますと、当たらないということです。現在の在日朝鮮人の方々の多くは、難民認定されている故に、独自の”民族教育”を行うことが許されているのです。

 第二に挙げるべき問題点は、難民として来日しながら、自己の民族組織を作り、本国のために工作活動に加担したという悪しき事例があることです。朝鮮総連が、日本人拉致事件に関与したことは、難民認定の危うさを示唆しています(法律に従えば、難民認定の取り消しも、本国送還もできるのですが・・・)。

 第三に、本来、政府が、難民認定を優先して行うべき対象は、政治的な迫害を受けている人々であることです。本国の指示を受けて活動する人々を難民として保護する必要はありません。この側面を考えますと、ビルマチベットの人々こそ、率先して保護すべき人々ということになりましょう。

 第四に、難民となった原因が消滅した時には、難民の本国への帰還を助けるべきではないか、ということです。自由で民主的な日本国での居住期間は、新たな国造りに必要な知識や技能を身につけるための重要な機会となるかもしれません。

 難民の身柄を保護するのみならず、ホスト国として、圧政や内乱によって荒廃した国家の再建に力を尽くす人材を育てることこそ、日本国の難民政策の基本に据えるべきではないか、と思うのです。

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