時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本企業の先端産業に融資を

 日本国の企業は、太陽光発電や海水の淡水化などの技術において他国企業に一歩先んじていながら、急速に先進国や新興国の企業に追い上げられ、その優位が揺らいできていると報道されています。他国企業の急速な成長の要因の一つとして、多額の資金を集め、大規模な設備投資を行うことができたことが指摘されています。それでは、何故、日本企業は、資金を集めることができなかったのでしょうか。

 その理由としては、1.長期的な低金利政策により、国内の資金の海外流出、2.BIS規制の影響による金融機関の貸し渋り、3.政府の大量の国債発行によるクラウディング・アウト現象、4.金融機関のリスク回避行動、5.日本企業に対する外国人投資家の低い評価、などを挙げることができます。この状態が続きますと、日本国の資金は海外で運営され、他国企業の先端産業を育てても、自国の企業が立ち枯れてしまうという状況に陥りそうです。

 昨今の金融危機に際して、日本国の金融機関は、他の先進国と比較して、さほどの被害は受けなかったと言われております。景気の後退が懸念される今こそ、日本国の金融機関は、自国の産業を育てることに心を配っていただきたいと思うのです。

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